『振り子の金融史観』を読んで
平山賢一氏が書いた本書を読みました。平山氏の本は、以前読んだ『リスクマネー・チェンジ』(共著。東洋経済新報社)が非常に興味深かったので、本書も期待していましたが、金融の歴史と未来の両方に関する理解が深まり、また、教養と実益の両面で役立つ良書だと思います。
投資をテーマとする本ブログでは、投資を行ううえで参考となる内容について簡単に言及しておきます。
本書の中で、今後の投資に一番役立つのが最終章「金融史から得られる資産運用10視点」です。
項目(見出し)は以下のとおり。
- 資産運用の歴史は、楽観と悲観を行き来する振り子の歴史
- インフレ率の上昇は、コモディティの上昇に始まり、やがて一般物価に波及
- カネ余りと投資機会の減少の背景
- 数百年の歴史に耐えた富裕層の資産運用の目的は、購買力の維持拡大
- 物価に連動して上昇した1970-80年代の金利水準も歴史的には異常
- 政治(政府・国際関係)は、市場のボラティリティを左右
- インフレ動向の局面転換期には、株価大暴落が発生しやすい
- インフレ率上昇期は、株価指数の実質リターンは低下し、銘柄間格差が拡大
- 購買力維持のために有効なコモディティ投資
- フラット化する世界の付加価値は、空間軸から時間軸に転換
上記の中で、「これからのリターンは、これまでの1980~90年代の高いリターン水準ほどには高くならない」「一般的にはアクティブ運用による優位性は認めがたいものの、インフレが高位で変動する時期には、むしろアクティブ運用の優位性が高まっている点を再認識すべき」「コモディティ投資は、信用通貨に対する懸念の対極に位置し、本位通貨の一つとして台頭してきている」「空間分散を進めてきた一般投資家がふと立ち止まって、足下を見ると統一された分散の効かない(順相関の)資産を保有していることに愕然とするはず」等インデックス投資にとって無視できない記述があります。
興味がある方は、一読をおすすめします。
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